いきなりで恐縮であるが、私の心はかなり繊細で複雑な方だと思う。
こんな事を書いたところで主観的な自己評価に過ぎず、「いや、自分でそんなこと言ってる時点で繊細ちゃうやろ・・・」みたいに思われるかもしれない。
とにかく私自身の主観的な評価はそんな感じだし、他の人の心は読めないので自分以外のことはわからない。
だからと言ってはなんではあるが、ストレス耐性は皆無と言っていいほど持ち合わせていない。
ドラクエなどのRPGでは職業が戦士などの脳筋キャラの場合、レベルアップしてもかしこさやMPが上昇しなかったりするが、私も同じように経験を積んだり年齢を重ねてもストレス耐性は上がらなかった。むしろ下がって行ってるのでは?と感じることもしばしばだ。
とはいえ、こんな私でもストレスを溜め込まずうまく発散は出来るようになってきた。
今回はそんな話だ。
学習性無力感
あまり思い出したくないことではあるが、私の子供の頃の話をしよう。
物心ついた時から私はよく父親から怒られていた。それも執拗に。
食事している時に誤って食べ物を箸から落としたりすると、見計らったかのように「バカ」「アホ」だと怒鳴られる。
何かもたもたしていたり、出先でドジをするたびに周囲に人がいようがお構いなしに大声で罵られた。
まあとにかく、怒られない瞬間が無いというほど父親がいる時には怒られ続けた。
父親はギャンブル依存症だったため、土日にパチンコから帰ってくる時などは地獄だった(大体負けて帰ってくるので機嫌がかなり悪い)。
何よりも私が心を痛めたのは、母に対しても言葉の暴力を行なっていた事だ。今でもその光景は夢に出てくる事がある。
今となってはなぜそんなに怒られないといけないのか全く意味がわからないのだが、当時の私の世界=家庭だったので、父親の存在は絶対だった。
子供の私としては父親は恐怖以外のなにものでもなかった。
このように子供を恐怖で抑圧して育てたらどのような人間になるか?私は実際に身をもって体験してきたわけだから答える事が出来る。
本当にあらゆることに興味と自信を失い、極度に失敗を恐れるようになるのである。
何かするたびに父親の顔が脳裏によぎり、失敗してはいけないという強い焦りが生まれる。
そして恐れていた失敗が現実のものとなった場合に、たとえそこに父親がいなかったとしてもパニックに陥ってしまうのだ。
不思議なことに自分の意思に反して父親に怒られるような行動を自ら取ってしまうこともあった。
これは一種の自傷行為なのではないかと考えているが、いまだによくわからない。
だから私には普通の人ではあまりしないような失敗が結構あったりする。
抑圧され続けると人は面白いほどダメ人間になる。
心理学で「学習性無力感」という言葉がある。
これは過度に抑圧された環境において、そこから抜け出せる機会があったとしても、その現状から抜け出す事を自ら放棄してしまう事を言う。
DVの被害者はこの状況に陥っている事が多いそうだ。
自分の中にあるリミッターを見つけて破壊しよう
私の幼少期の話がストレス耐性の話とどう関係あるかと言うと、自分のしていることに自信が持てないとあらゆる行動がストレス源になるということだ。
私の場合、自分の行動と父親への恐怖がセットになってしまっているからだ。
ストレス源を対処しない限り、いくらストレス耐性を上げたとしてもいつか無理が生じてしまう。
自分の行動規範に深く刻み込まれた呪いを解く方法、それはある。
反逆の心を持ち続けることだ。
私が成長し、それなりに分別がつく年齢になった頃にやってみたい事があった。
それは父親に対して、子供の頃の私や母にした事に数倍返しでやり返す事だった。
本当はこういう復讐じみた真似はやめた方がいいだろう。
でも私はどうしても過去の事を許せなかった。
彼がいつもの癇癪を起こすタイミングを見計らって私の怒りの全てを込めて反発してみることにした。
彼は拍子抜けするほど弱い人間だという事がわかった。
自分がなぜ怒っているのかすらまともに説明することも出来ない、感情に支配された取るに足らない人間だということがわかった。
声を荒げて自分より弱い人間に威嚇をするのも自分の弱さを隠すための行動だったのだ。
これまで長い間恐怖の対象と思っていた人間はこんなしょうもない人間だったのか?
逆に哀れみすら感じた。
この日を境に私の中から彼への恐怖や憎しみは消えた。
上記の話をもっと一般化すると、自分の行動や考え方において自分の意思以外のなんらかの力が働いていれば、それを見つけ出し必死に抵抗することが大事だということだ。
自分でコントロール出来る事が多ければ多いほど、ストレスは耐えられるほどその力を弱める事が出来る。
もっと言うと、私がしたような行動を起こす必要も無い。
必要なのは自分の行動のリミッターになっているものを見つけだし、それを破壊する意思を持ち続けることである。
おわりに
今回の記事は私の暗黒面を前面に押し出したテイストに仕上げてみたがいかがだっただろうか?
私が伝えたい事としてはストレス耐性を上げるよりも、ストレスの根本を見つめる事が大切だということだ。
そのあたりうまく伝えられたのであれば幸甚である。
ほな、また👋